和室は昔からミニマルスタイルでシンプルな空間でした。そこにいるだけで気持ちが凛となる場所と言えるでしょう。最近では現代風にアレンジされた、家全体のインテリアと一体感が感じられる、おしゃれでモダンな和室が多く見られるようになりました。昔では考えられなかった素材やカラーの組み合わせや、今も受け継がれる伝統的な素材といった新旧の融合が居心地の良い空間を作り出しています。今回はそんな現代風にアレンンジが施された和室をフィーチャーしてご紹介いたします。
天井と壁を真っ白にし、床の色も極力明るくすることで畳が使われていながらも無機質でまるで近未来のような空間が作り出されています。真ん中の真四角の畳のレイアウトと「床の間」のような真っ白な狭小スペースもポイントとなっています。そして障子からやわらかな自然光が差し込むことで非常に温かみのある雰囲気のお部屋になります。これだけ余計な要素を無くしたすっきりとした和室は、座っているだけで気持ちをすっと落ち着かせ、整えてくれるに違いありません。
こちらは京都の設計事務所である有限会社TEAM WORKSが手がけた住宅です。古民家風の室礼に古建具が活用されていることでより趣のある空間になっており、今ではほとんど見ない囲炉裏のある板間がクールな印象です。伝統的な作りでありながらも、誰しもが改めて新鮮でおしゃれに感じるのではないでしょうか。リビングである板の間で囲炉裏を囲みながら枯山水の中庭を眺める・・・四季を感じながら、現代人が忘れがちな日本人としての美意識や感覚が磨かれそうなインテリアですね。
ATELIER Mが手がけた鉄筋コンクリート造の住宅内に設けられた和室です。打ちっ放しのコンクリート壁と天井に囲まれた無機質な空間に、縁のない正方形の畳が見事にマッチしています。正面の全面ガラス、外からの目隠しと日よけを兼ねた独立壁、そしてその壁が部屋の中へ作り出す印象的な影、サイドの窓と鏡、畳・・・それぞれが織りなす直線の美しさが際立った空間です。畳に落ちる影は時間によって変化し、その印象は常に変化し続けます。
壁と奥行きを立体的に使ったモダンアートのようなカラーリングの押入れがとても印象的な和室をご紹介します。奥の壁はトーンが濃いめの朱色を使うことでビビッドでありながらも和室空間に品良く馴染んでいます。さらに畳と天井はそれぞれ色のトーンが異なった格子柄になっておりインテリア全体のモダンさを引き立てています。また、隣のリビングと同じフローリングが畳の周りに敷かれているので存在感のある和室も洋室と並んでいても浮くことなく全体の統一感が図れているところが素敵ですね。