窓は住空間を構成するのに大切な要素の一つでありますが、意外にこだわりが薄いパーツでもあるようです。確かに、風を通せばよい、きれいな景色が見えればよい、などシンプルな考え方であるならば、デザイン性にユニークなものを求める必要はないのかもしれません。しかしながら、意外に窓がインテリアに果たす役割は大きいもの。そのデザインにもユニークさをプラスしてみませんか?今回は素敵なお宅の実例をご紹介しながら、住空間にもたらす効果について考えていきます。
窓のデザインやその素材や構造について、日本人は諸外国と比較するとかなり意識が低いと言われているそうです。例えば、窓というとアルミサッシのイメージが強いかもしれませんが、アルミは熱を通しやすい素材。それゆえに、寒さや暑さを伝えやすく、断熱効果という面から考えると適していません。過ごしやすい室温を保つためには、窓の構造や素材にもこだわりたいものです。こちらのお宅では、木製の窓枠が取り入れられており、インテリアとしっくりなじんでいます。窓枠ひとつとはいえ、ユニークさをサポートしてくれているのが伺えます。
▶「住まいの写真」ページでは様々な種類の窓を紹介しています。◀
※ 窓の写真ページ
ガラス窓というと、外と中とを隔てる為のもの、というイメージかもしれませんが、部屋のパーテーションや壁の一部として取り入れてみると、ちょっとこだわりが感じられるユニークな空間をつくることができます。こちらのお宅では、LDKと隣接する部屋の間に黒い縁の窓が取られており、上の部分が滑り出し窓となっているため、隣の部屋にも風が通って、どこにいても新鮮な空気に触れることができます。
【ガラスについては、こちらの記事でも紹介しています】
壁に囲まれた空間は、どこか息が詰まりがち。ちょっとした視界の抜け道があると、ちょっと一息つける空間となります。こちらのお宅の玄関横には、ピクチャーウィンドウと呼ばれる縁のほとんど見えないまどが開けられており、坪庭の木が見えます。まどながらも、まるで絵を飾っているかのような印象となり、陽のうつろいや四季の移り変わりも楽しめる素敵な設えですね。岡山の建築家・Toki Architect Design Officeの手がけた高台に建つ家です。
かつて、伝統的な日本家屋では、障子や襖などで部屋が分けられており、雪見障子のように半分スライドさせることにより外の様子がうかがえるような建具が取り入れられていました。同じようなイメージで、隣り合う部屋の様子がうかがえるような設えがあると、家族とゆるやかにつながれるもの。こちらでは、リビングと隣接する書斎とがすりガラスの窓でゆったりつながります。モダンな中にどこかレトロな雰囲気が漂うまどの使い方ですね。
立地の素晴らしい家ならば、窓をたっぷりと取ってその景色を屋内にも取り込みたいもの。こちらの住宅は、海を眼下に臨む高台に位置します。LDK空間は吹き抜けで、海に面した側に大きく開けられているまど。上はピクチャーウィンドウとなっており、上層階に位置する読書コーナーから真っすぐ景色を望むことができる贅沢なデザインです。この立地だからこそのユニークで素晴らしいアイデアですね。日々の疲れもあっという間に吹き飛びそうです。